今後の北朝鮮情勢(H29.11.13)

1113kitatyousen

私は北朝鮮なら自暴自棄になって本当に核を撃ってくる可能性があると思い、
これまで記事を掲載してきましたが、その情勢も変わってきたかと思いますので、
改めまして現時点での情勢をまとめたいと思います。

北朝鮮から核ミサイルを撃ってくる可能性はある?

断言はできませんが、いくらアメリカが近海で大規模演習をしたり、
北方限界線「NLL」を爆撃機や偵察機が越えても、
北朝鮮から撃ってくることはないと思います。
少し前までは、北朝鮮は自暴自棄になりかねないと思っていましたが、
勝てない戦争をする気はないようです。

実際にアメリカや世界は、現在北朝鮮に最大レベルの圧力をかけていると思いますが、
北朝鮮はミサイルの試射をストップしました。
(ストップしたと言ってもまだ2ヶ月くらいですが)

北朝鮮の発表も以前に比べるとトーンダウンしています。
簡単に比較すると、
以前は「撃つぞ!
というような攻撃的な文句が多かったと思いますが、
今では「妄言を言っている!
といった感じのコメントが多くなっています。

世界で最大レベルの圧力をかけているのにも関わらず、
ミサイル試射はストップし、文句までトーンダウンしているのですから、
戦争は望んでいないように感じてしまいます。

アメリカから開戦する可能性はある?

まずアメリカが核ミサイルを撃つ事はありえません。
撃ってしまうと、放射能で軍の侵攻や占領統治に支障を来たしますし、
隣国の中国や韓国、日本にも放射能で迷惑がかかります。
そんなダーティー兵器を使わなくても、勝利には十分すぎる軍事力を保持しています。

アメリカから開戦する可能性ですが、
アメリカの目的は核の完全放棄です。
しかし現時点で北朝鮮は、核は放棄するつもりはないようです。
だからと言って「核を放棄しなかった」という理由だけで
開戦するのは難しいと思います。

それは世論が得られないからです。
実際、トランプ大統領が韓国に訪れたときにも戦争に反対するデモがいくつもあったようです。
韓国軍の全面的な協力なしに勝てないこともないと思いますが、
そうなると戦争が長引く可能性もありますし、アメリカ軍にも多くの戦死者が出てしまうと思います。

遅かれ勝利できだとしても、もし侵略国家になってしまい国連などの後押しがなければ、
占領後の統治も思うようにコントロールできなくなる可能性があります。
そうなると北朝鮮を独立した資本主義国家にするなんて夢のまた夢ですし、
南北を統合させてることができたとしても、韓国国民の支持がなければ、
上手く介入することもできないと思います。

今では「世界の警察」というイメージもありますが、諸外国に警戒感を抱かれてしまえば、
将来的に外交面でもデメリットしかなくなってしまいます。
本当に北朝鮮が発射する気だったら、戦争に勝利して核を放棄させる事は、
少なくない戦死者が出たとしても多くの命を守ったことになり有意義のものになります。
しかし発射する気がなさそうな情勢で世論を得られないまま勝利しても、
多くの市民や兵士を死なせてたうえに侵略国家という名を馳せてしまいます。
さらには北朝鮮に核ミサイルを発射させる有利な口実さえ与えてしまいます。
メリットで言えば、アメリカの軍事企業が喜ぶくらいでしょうか。

既にアメリカは上記のように近海で大規模演習をしたり、
爆撃機や偵察機で北方限界線「NLL」を越えたりしています。
これらはアメリカからの挑発でもありますが、
あまり過度なものになってしまうと
やはり世論が付いてこなくなってしまうので、
これ以上のレベルの挑発は難しいのだと思います。

北朝鮮がさらにミサイルを試射したりして緊張を高める挑発があれば、
世論が味方するかもしれませんが、それも今はありません。

以前の北朝鮮は事あるごとにミサイルを発射したり、
太平洋で大規模な水爆実験をするという発言もありましたが、
ミサイルは9月15日を最後に撃たなくなりました。
もしこの水爆実験を実行していたら、さすがにアメリカ国内での開戦容認の気運が高まり、
韓国の同意が得られなくても、アメリカから先制攻撃する可能性があったかもしれません。

それを北朝鮮が察知したのか分かりませんが、
北朝鮮はミサイル発射もしなくなり、コメントのトーンもダウンしているので、
現在の情勢でアメリカから開戦することは、ありえないと思います。

今後の情勢を予想

何発もミサイルを発射して狂者を演じたところで、
自分たちへの圧力をさらに高めてしまう事を、
今回北朝鮮は身にしみて感じたと思います。

しかし北朝鮮は自国の核ミサイルの完成度の高さを世界に実証しました。
それには目的があったと思われます。

北朝鮮の狙いは

北朝鮮の狙いは「核の保有を認めさせたうえでの関係改善」だと思います。

アメリカや日本としては、当然核の完全放棄なのですが、
それをいくら求めても応じる様子は全くありません。
実際に北朝鮮は「核放棄が前提ではテーブルには着かない」と言っており、
米朝交渉も直前に北朝鮮側からキャンセルされたりしています。

北朝鮮が核放棄に応じないからといって、上記の通りアメリカから一方的に開戦することもできません。
そうなるとアメリカは圧力を高めることしかできなくなり
緊張状態は解消されないまま続くことになってしまいます。

北朝鮮の核ミサイルはアメリカ本土にも届くとされているので、
韓国や日本をはじめアメリカも緊張解消を望んでいます。
そこに北朝鮮は漬け込んできて、
「核を認めるなら、関係改善の用意がある」と言ってきているのだと思います。
北朝鮮が相手にしている交渉相手はアメリカです。
なのでアメリカ本土を核ミサイルの射程に収める必要もあったのだと思われます。

現在は戦争がいつ起きてもおかしくない状態にまで緊張が高まってしまったので、
戦争を望まない北朝鮮はしばらく挑発行為等を避けると思います。
しかしまたしばらくして、少し緊張が解消されたら
また挑発してくる可能性は十分にあります。

北朝鮮としては、
挑発(緊張を高める)→挑発停止(緊張をやわらげる)→挑発
を繰り返し、
関係改善をカードに核の保有を認めさせようとしてくると思われます。

しかしいくら関係が改善されたとしても、あの北朝鮮が核を保有してしまったら、
それ自体が脅威となり、解消されない緊張状態となってしまいます。
当然北朝鮮はさらに国力をはじめ軍事力を高めてしまう可能性もあります。
そして核というジョーカーを常にちらつかせることになり、
特に核を保有しない日本や韓国などの国は、不利な外交を強いられるようになってしまいます。

そうならないようにアメリカや日本をはじめとして、
圧力や制裁をさらに高める必要があり
中国やロシアにも同調してもらう必要があるのだと思います。

圧力と制裁で北朝鮮を追い詰めることができれば、
そのときは北朝鮮も観念して、核を放棄して交渉のテーブルに着く可能性が出てきます。
しかしその時も北朝鮮は核放棄をカードに、様々な要求をしてくる可能性があります。
制裁解除は当然ですが、それ以外にも人道支援や拉致問題の不問などです。
日本としては拉致問題に対する全面的な解決と謝罪は譲れないと思います。

現在朝鮮戦争はあくまで停戦状態にすぎないので、
もし北朝鮮が核を完全に放棄して関係改善を望むのであれば、
朝鮮戦争の終戦宣言をしてほしいものです。

とにもかくにも今必要なのは圧力や制裁です。
これが中途半端なものに終わってしまえば、
時間が北朝鮮に核ミサイルの保有を認めることになってしまい、
北朝鮮の核保有は世界の暗黙の了解となってしまいかねません。