トランプ大統領の貿易戦争の狙い

時事

世界貿易大戦が開戦しようとしています。

4月3日:アメリカは中国製品に約500億ドル(約5兆3600億円)相当の
関税を課す計画を発表。

これに対して中国は即座に
アメリカ製品100種以上に対して、同規模の総額500億ドル以上の
関税を課す考えを示しました。

つい先日もトランプ大統領はtwitterで
「先に屈服するのは中国」と暗に中国を焚きつけました。

こうなると中国も簡単には引き下がれないと思います。
仮に中国側に妥協する余地が少しあったとしても、
このトランプ大統領の発言でその余地も全て消し飛んだと思います。
中国は威信をかけて貿易戦争に挑んでくると思います。

なぜこうも貿易戦争に好戦的か?

トランプ大統領は「貿易戦争は良いこと」と発言しており、
貿易戦争になってもアメリカ経済には良い結果をもたらすと考えている様です。

貿易輸出額が世界1位の中国製品に関税を課すことができれば、
自国で生産した製品の売り上げが伸びそうです。
そうすれば雇用の促進にもつながり、経済成長も加速するかもしれません。
中国でアメリカ製品が売れなくなっても、
自国でアメリカ製品が売れた方が利益が大きいと、天秤にかけているのでしょうか。

独裁色を強める中国

中国の経済成長は少し鈍化しましたが、
それでも2017年の成長率は6.9%、
同年のアメリカは2.18%でした。
3倍以上のひらきです。

中国のGDPは世界2位ですが、このままのペースでいけば
2035年頃には1位のアメリカに追いつく可能性があります。

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GDPの未来予想図[主要国名目GDP推移(1980年-2022年)(2018年時点の上位10位、米ドルベース)(単位:兆米ドル)(IMF予想含む)]ガベージニュースより

軍事力で中国は世界3位(1位アメリカ、2位ロシア)。
このままいけばロシアを抜くのも時間の問題で、
さらにアメリカに迫る可能性があります。

アメリカも経済が停滞しているロシアよりは、
成長している中国を憂慮していると思います。
そういった人たちは、なんとかして中国の経済成長に
ブレーキをかけたいはずです。

今回の泥沼の貿易戦争でアメリカも痛みを伴うと思いますが、
上記した天秤の内容で仮にアメリカ側の利益が全くないものであっても
中国の経済成長を鈍化させることができれば
トランプ大統領の狙い通りなのかもしれません。

最初は短気で浅はかな印象でしたが、
そう相手に見せかけておいて、
実は人間の本能をよく理解していて
恐ろしく駆け引きに長けている人物なのでは?と最近思うようになってきました。

この貿易戦争でアメリカと中国の経済がどのように変化するのか、、、、
見ものだと思います。