アニサキス症になったときのスーパーや飲食店などのお店の責任は?

アニサキス症になったときのお店の責任

お店の料理を食べてアニサキス症になったら、

そのお店に文句は言えるのでしょうか?

目次

結論から言うと文句を言うことは「可能」

結論から言うと文句を言うことは「可能」

それにはまずアニサキス症になったという病院の診断書が必要になりますが、その診断書だけではお店との因果関係が分かりません

なので診断書をもとに保健所に連絡する必要があります。

すると保健所はそのお店に立ち入り検査するそうです。

その結果、アニサキス症に対する対策が守られてなければ、営業停止などの処分が下されるようです。

お店に出された料理でアニサキス症になったら

加熱用の食材をちゃんと加熱して調理すれば、アニサキスは死滅しますが、悪質なお店だったら、少ししか加熱しなかったり、刺身料理などで使ってしまうケースもあるのかもしれません。

また、刺身用の魚でも、アニサキスがいないとは限りません。

お店がアニサキスを見落としてそのままお客に出してしまったら、お店の責任になってしまいます。

<事例>男性が食中毒、刺し身など食べる…アニサキス摘出 所沢の飲食店処分(埼玉新聞)

県は17日、所沢市松葉町の飲食店「炎家(えんや) HANARE みのる」で飲食した50代の男性が腹痛や下痢などを発症し、食中毒を引き起こす寄生虫のアニサキスが原因だったと発表した。狭山保健所は、同店で調理、提供されたメニューが原因とし、食品衛生法に基づいて同日から2日間の営業停止処分にした。

県食品安全課によると、男女4人のグループが13日午後7時半ごろに同店で刺し身の盛り合わせや締めさばなどを食べ、うち男性1人が同日午後11時半ごろから腹痛を訴えた。男性は翌朝救急搬送され、搬送先の医療機関で胃カメラにより虫体を確認、摘出。15日に医療機関から保健所に通報があり、調査した結果、摘出された虫体がアニサキスだったことが確定した。(出典:埼玉新聞)

飲食店で刺身食べたらアニサキス症になりました>(Yahoo!知恵袋)

スーパーの刺身でアニサキス症になったら

スーパーで売っている魚などは、加熱用とそうでない刺身用などがあります。

この加熱用を食べてアニサキス症になっても、店側に責任はありません

加熱用の食材にもかかわらず、ちゃんと加熱せずに調理した自分が悪くなってしまうのです。

しかし、そうでない刺身用でアニサキス症になってしまったら、店側に責任を問うことが可能になります。

スーパーで刺身を買ってアニサキスに気づいた方はいらっしゃいませんか?>(Yahoo!知恵袋)

<事例>スーパーのブリの刺し身でアニサキス症になって行政処分が下された事例(埼玉県)

県は11日、坂戸市泉町のスーパー「ヤオコー坂戸泉店」で販売されたサンマの刺し身を食べた同市の40代の女性が激しい胃痛の症状を発症し、食中毒の原因となるアニサキスが検出されたと発表した。県坂戸保健所は同店のサンマの刺し身が原因であると断定、同店の魚介類販売店を同日の営業停止処分とした。

県食品安全課によると、「8日にスーパーで買ったサンマの刺し身を食べたところ、激しい胃痛を感じた」と女性から同保健所に10日に届け出があった。女性が医療機関で受診したところ、アニサキスが摘出された。女性は快方に向かっている。アニサキスはサバやサンマ、イカなどの魚介類の寄生虫。アニサキスが寄生した魚を生で食べると、8時間以内に激しい腹痛や嘔吐(おうと)などの症状が出る。(出典:埼玉新聞)

食中毒発生状況
出典:埼玉県

お店から被害者に支払われるもの

アニサキス症になって保健所にもお店と因果関係が認められれば、一般的にお店側からは以下のものが支払われるようです。

  • 通院にかかった交通費
  • 治療代(入院費)

慰謝料は請求できる?

お店側から誠意として慰謝料のようなものが支払われる場合もあるそうです。
または現金ではなく菓子折りなど?

しかしお店が慰謝料の支払いに応じないからといって、追加的な行政処分が下されるわけではありません。

もし慰謝料がなければ納得できないというのであれば、自分または弁護士に依頼して裁判を起こすしかありません。

もちろん裁判を起こしたからといって、必ずしも慰謝料が支払われるわけではありません。

裁判で慰謝料請求の妥当性を証明して、裁判官を納得させなければいけません。

例えば、自営業者の場合で、1週間の療養が必要となったため、その日数に対する休業補償など。

アニサキス症で長期療養が必要になることはあまり考えられません。

ですので、もし裁判で勝てたとしても、弁護士に依頼をしてたら、そちらの報酬の方が高くなってしまう可能性がありますし、もし裁判官に一切認められなければ、慰謝料ゼロです。

そういう可能性もあるせいか、裁判に発展するケースは稀なようです。

そんな裁判をするためにお金や時間をかけるのであれば、本来の仕事に時間をかけた方が良さそうです。

目次