日銀がマイナス金利の実施を発表した。
これにより、都市銀や地方銀行もマイナス金利が実施され、
「お金を預けていることで逆に金利が引かれてしまうのか」という
預金者からの問い合わせも多くなっているようだ。
実際に、実務者の中でも見解がわかれている。
預金者からの問い合わせも
そのようななか、金融法委員会(弁護士や有識者による委員会)が
指針となる見解を報じた。内容は以下の通り。
※金融法委員会は有識者組織なので、
その見解は重みがあるものの規制力などは一切ない。
預金についても「通常は、金融機関が預金者に支払うべきもの」であり、
約款上も「預金者からの支払いは予定されていない」と説明。
預金残高から差し引くことは
「預金当事者の合理的な意思解釈によれば、
できないと考えられる」との見方を示した。
簡単に言うと、
「預金の利子は銀行が預金者に支払うものなので、
もしマイナス金利になったとしても
預金者が銀行に支払う必要はない。」という内容。
そもそも日銀がマイナス金利になったからといって、
すぐに都市銀行や地方銀行がマイナス金利になることはないようだ。
都市銀や地方銀がマイナス金利になるには、
まず東京銀行間取引金利(TIBOR)が
マイナス金利になることが前提となる。
その東京銀行間取引金利は2月に入り下降中だが、、、
![全銀協日本円TIBOR](https://omoron.net/wp-content/uploads/2016/02/全銀協日本円TIBOR-300x160.png)
ただし、仮に東京銀行間取引金利の金利がマイナスになったとしても、
上記の金融法委員会の指針が基本となれば預金者が直接的な負担をすることはなさそうだ。
引出し手数料などが高くなれば、預金は目減り
しかしながら東京銀行間取引金利がマイナスになった場合は、
都市銀などのすずめの涙のような金利がゼロになる可能性はあるという。
また、振り込みや引き出し手数料なども高くなる可能性があると同委員会は説明している。
もし振り込みや引き出し手数料が高くなれば、
ゼロ金利による直接的な負担がなくとも、実際の預金は目減りしてしまうだろう。
今も都市銀などは超低金利のため、その傾向は既に起きている。
タンス預金であればプラスの金利もないが、目減りすることもない。
そのためか全国的に家庭用の金庫がよく売れているという。
とはいえ、窃盗などのリスクがあることも否めない。
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