外資系企業が初の買収
シャープは25日午前、臨時の取締役会議を開き、
7000億円規模の支援を表明していた、
鴻海(ホンハイ)精密工業の支援を受け入れると発表した。
産業革新機構は、液晶分野などの最先端技術の海外流出を懸念し、
政府の意向を踏まえた上で、
3000億円規模の支援案を提案していた。
同機構は出資でシャープ経営陣を刷新し、
経営権を取得した後は、
不振が続く液晶事業を分社化し、
同機構が出資するジャパンディスプレイとの
統合を提案していた。
一方、鴻海はシャープの主力取引銀行の
三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行に対して、
優先株を安く売却するなどを提案。
シャープとしては、国内の産業革新機構案を
選択したかったが、経営陣は刷新される上に
ジャパンディスプレイと統合した場合の
方針や体制が分からないなど不安要素もあった。
なによりシャープの台所事情は切迫しており、
3000億円程度での経営立て直しは困難という見方が強かったと思われる。
結果、主力銀行も鴻海支持に傾いてしまった。
売却や大規模なリストラは避けられない
ホンハイによると「SHARP」のブランドは残し、
高橋社長ら現在の経営陣も続投させるとコメント。
一方で郭会長は、
太陽電池事業の売却や
40歳以上の従業員の雇用は
必ずしも保証しないという考えもちらつかせている。
大ナタが振られるのは免れない情勢だが、
その責任を誰が取るのか、難問が山積している。
同日、同社の株価は売りが急増し、
一時36円安の138円まで売られた。