命の判断をするのは医者じゃなく自分

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癌
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自分や家族が大病にかかったら?

娘の水いぼ(記事はこちら)でかかった病院で
病状の説明をほとんどしてくれない医者を目の当たりにした私。
ふと、今は亡き父の言葉を思い出しました。

「医者だって忙しいんだから、
わかってる人にしか説明なんてしないよ。
患者だって勉強しなくちゃさ」

私自身、まだギリギリ30代。
長女・長男もこれまでそれほど大きな病気をすることなく
過ごせているためもあって、
あまり病院に行く機会はありませんでした。
でももし万が一、
自分や家族が大病にかかったらどうなるのか。

「医者はわかる人にしか伝えない」という事実

私の父は胆管癌で亡くなりました。
今でこそ川島なお美さんの影響もあって
知っている人も増えたけれど、
当時は全く耳慣れない病気でした。
胃がんや大腸ガンにくらべて市販されている本も少ないし、
インターネットでの情報量もほとんど皆無。
たまにあっても関係者向けのページなのか
難しい専門用語が連なっているばかり。

でも、病気の進行は待ってくれません。
知識も確固たる情報も手にしないなかで、
命を決める治療方針を決断していかなければなりませんでした
そう、あくまで治療を選択するのは患者である自分や家族。
医師や病院はそのメニューをいくつか提示してくれるだけなのです。

父は「自分のことは自分で」という意識が非常に強い人でした。
だからこそ誰よりも病気のことを勉強し、
入院中は病院にある図書室で医学書に目を通せるほどになっていました。
自分の体が今どんな状態なのか、
今後起こりうることはどんなことなのか、
そのためにベストを尽くすとしたら手術なのか、
放射線なのか、その他なのか。
その姿勢は医師たちにも伝わり、
治療方針を決める際には非常に丁寧に準備し、
説明をしてくださっていたように思います。

自分のためでなく家族のために

結果的に父は、数度に及ぶ手術も、
抗がん剤治療も、在宅医療も、
あげくの果てには葬儀の形式も、
すべて自分で決めて逝きました。
だからこそ、家族である私たちは
父のことについて「決める」という
重責から逃れることができたのです。

もちろん、自分のためでもあったのでしょう。
でも一方で父は「命に関わることを決める」という負担を
家族に強いたくなかったんじゃないかなと思うのです。
そんな父の姿勢を見て、
自分もそうでありたいなと強く思いました。

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