介護事業を手掛けるインターネットインフィニティーは、
毎日新聞社と共同で、ケアマネジャー(730名)を対象に
「介護者の“介護疲れ”」についてアンケートを実施しました。
55%のケアマネジャーが、介護殺人・無理心中を危惧
5割以上のケアマネジャーが、
介護対象者の家族間で重大な事件が起こり得ると
感じているようです。
健常者である介護する側の人間が犯罪を犯してしまう事件は、
決して特殊なケースではないようです。
93%のケアマネジャーが「自身が追い詰められている」
9割以上のケアマネージャーが、介護の業務で
大きな心的ストレスを感じた事があるといいます。
また、その状態のときは
「介護対象者に対して暴力的な言動があった」(58.6%)
という回答が一番多く、
他にも不眠や落ち込み、経済的困窮などの
回答がありました。
介護者(家族など)の代わりとなる
ケアマネージャーの負担も大きなもので、
介護者と同じように犯罪も発生してしまうようです。
ケアマネージャーの最大の負担
負担が大きいと感じる業務については、
多くの人が、
「身寄りがいない、介護拒否(困難事例)対応」(74.5%)、
「介護者からの過剰な相談(頻繁、長時間)対応」(70.5%)
をあげました。
どちらも多大な業務が求められると想像できます。
短期であれば普通に対応できますが、
それが長年続くと介護者の気持ちも
次第に崩壊してしまうようです。
介護の経験がない人からは、
なかなか理解が得られ難いのも
問題となっています。
介護者の支援に必要なのは
「追い詰められた介護者(家族など)を
支援するために特に必要なこと」を、
ケアマネジャーの立場から回答してもらったところ、
「夜間や緊急時に対応できるサービスの充実」(68.2%)が
最も多い結果となりました。
現行の介護保険制度にも、
「短期入所生活介護(ショートステイ)」などの
サービスはありますが、
まだまだ不足していると感じている
ケアマネジャーは多いようです。
そのほか、必要な支援として
「在宅介護者への経済的支援」をあげた
ケアマネジャーも62.3%いました。
他人事ではない介護問題
2日には痴呆症事故賠償訴訟で
1審2審の判決が棄却され家族側が勝訴しました。
妻が要介護者であったことや、
息子も長年同居していなかった事が
理由にあげられています。
しかし、妻が健常者だった場合、
多額の支払い義務が発生していた
可能性があります。
家族での介護には限界があります。
本人を24時間縛っておくわけにもいきません。
行政などの介護支援が充実していたら、
今回のような事件は未然に防げたかもしれません。
認知症患者だけでも2015年現在で520万人います。
それが5年後2025年になると
700万人に増えると言われています(厚生省)。
痴呆症にならなくても
歳をとれば介護は必要になります。
これからさらに高齢化が進み、
今のままの制度では、
我々は深刻な介護の環境に
追いやられてしまうかもしれません。
「介護する側」と「介護される側」
この二つの大きな問題に対処できるように、
早い段階から介護の現場への理解を
深めておいた方が良さそうです。